2025.04.26

Claude DesktopにMCP Serverを追加して利用するまでの手順(Windows)

##はじめに

この記事では、Windows環境でClaude DesktopにMCP Serverを追加して利用するまでの手順の解説を行う。

本記事でインストールを行う「Claude Desktop」、「NVM for Windows」、「uv」はWebサイトやインストールスクリプトからインストールすることも可能だが、今回はWindowsのパッケージマネージャーであるWinGetを使用した方法を紹介する。

###前提知識(読み飛ばしてもOK)

Claude

Antropicによって開発されたAIモデル。

人間らしい文章の生成やコーディングを得意としている。

Webやモバイルからも利用出来るが、MCPが利用できるのはデスクトップ版のみとなっている。

Anthropicの公式ドキュメント | Claudeの紹介

MCP(Model Context Protocol)

AIが様々なデータソースやツールにアクセスするための通信方式や定義方法を定めたオープンソースな規格。

開発が容易な点や、アプリの利用者側で追加が行える点から注目されている。

MCP ClientやMCP Serverについての詳細は以下のドキュメントを参照。

MCPの公式ドキュメント | Introduction

WinGet

Windowsのパッケージマネージャー。

CLI上で簡単にアプリをインストールやアップデートなどが行える。

WinGetの公式ドキュメント | WinGet ツールを使用したアプリケーションのインストールと管理

##1. Claude Desktopのインストール・初期設定

PowerShellターミナルで以下のコマンドを実行して、Claude Desktopのインストールを行う。

# インストール
winget install -e --id=Anthropic.Claude
 
# インストール確認
winget list Anthropic.Claude

winget list Anthropic.Claudeでインストール情報が出力されればインストール成功🎉

Desktopに追加されたショートカットをクリックしてClaude Desktopを起動する。

起動すると以下のログイン画面が表示される。

Claude Desktopのログイン画面

あとは画面の指示に従ってアカウント登録やログインを行う。

Claude Desktopのメイン画面

この画面まで進められればClaude Desktopのセットアップは完了🎉

##2. uvとnpmのインストール

Claude Desktopのインストールが完了したので早速MCPツールを使ってみたいところだが、MCPツールを利用するためにはMCP Serverを追加する必要があり、そのMCP Serverを起動するためにはuvxnpxのどちらかのコマンドを利用するための環境が必要になる。

これらのコマンドのどちらを利用するかは利用するサーバー次第のため、今回はNVM for Windowsuvを使用してどちらの環境も構築することとする。

NVM for Windows

Windows用のNode.jsのバージョン管理ツール。

簡単にNode.jsのバージョンを切り替えることができる。

NVM for Windowsの公式ページ

uv

Pythonのパッケージマネージャー。

uvの公式ページ

###2.1. NVM for Windowsのインストール

先程までの手順と同じようにPowerShellターミナルで以下のコマンドを実行して「NVM for Windows」をインストールする。

# インストール
winget install -e --id CoreyButler.NVMforWindows
 
# バージョン確認
nvm --version

nvm --versionで「1.2.2」のようにバージョンが出力されればインストール成功🎉

次にNode.jsのインストールとバージョンの指定を行う。 ここではNode.jsの最新バージョンを使用するが、latestの部分を任意のバージョンに置き換えることも可能。

# インストール
nvm install latest
 
# バージョン指定(注意!!)
nvm use 23.11.0
 
# 正常に指定できたか確認
node --version

バージョン指定の注意

nvm use 23.11.0のバージョン部分はnvm install latestでインストールされた最新バージョンの数値に置き換える。

node --versionで「v23.11.0」のようにバージョンが出力されればインストール成功🎉

###2.2. uvのインストール

次にPythonのパッケージマネージャーである「uv」をインストールする。

PowerShellターミナルで以下のコマンドを実行。

# uvのインストール
winget install -e --id=astral-sh.uv

パス環境変数が変更されました; 新しい値を使用するにはシェルを再起動してください。

というメッセージが出力されたらPowerShellを閉じて再起動する。

再起動したPowerShellターミナルで以下のコマンドを実行してuvが正常にインストールされたか確認する。

# uvのバージョン確認
uv --version

uv --versionで「uv 0.6.13 (a0f5c7250 2024-04-07)」のようにバージョンが出力されればインストール成功🎉

##3. Claude DesktopにMCP Serverを追加する

Claude Desktopアプリに戻り、以下の手順で操作を行い、claude_desktop_config.jsonファイルを開く。

⑤の手順は任意だが今後MCP Serverを追加・削除する際にはこのファイルを編集することになるため開きやすい状態にしておくと便利。

  1. Claude Desktop画面上部のハンバーガーメニューから「ファイル」 > 「設定」を選択する
  2. 設定画面の開発者タブを開く
  3. 「構成を編集」ボタンをクリック
  4. エクスプローラーが立ち上がるのでclaude_desktop_config.jsonをVSCodeなどのエディタで開く
  5. (任意)ショートカットを好きな場所に作成する

次にFilesystem MCP Serverというローカルファイルの閲覧や編集などが行えるMCP Serverの追加を行う。

以下のようにclaude_desktop_config.jsonを編集。

{
  "mcpServers": {
    "filesystem": {
      "command": "npx",
      "args": [
        "-y",
        "@modelcontextprotocol/server-filesystem",
        "C:\\Users\\{YourUsername}\\Desktop",
        "C:\\Users\\{YourUsername}\\Downloads"
      ]
    }
  }
}

パスの置き換え

{YourUsername}は実際のユーザー名に置き換える。

引数でAIがアクセス可能なフォルダを指定する仕組みになっているので、ここではデスクトップとダウンロードフォルダを指定している。

編集が完了したら保存を行い、タスクバーのClaude Desktopアイコンを右クリックして「終了」を選択する。

Claude Desktopを起動し直す。

MCP Serverが追加できているかの確認

MCPツール欄に11個のツールが追加されていれば成功🎉

MCPツール一覧

##4. 追加したツールを使用する

追加したツールを使用させたいときは特別な操作を行う必要なく、チャットで指示を与えるだけで自律的に判断して使用してくれる。

ツールを使用してくれない場合には

ツールの使用判断はAI次第なため、曖昧な指示では使用してくれないことや目的ではないツールが使用されることもある。

その場合は、「与えられた○○というツールを使用して」という明確な指示を与えることが有効的な場合がある。

今回は例として「Desktopに何があるか確認してください。」というプロンプトでツールを使用させてみる。

ツール使用プロンプト

すると、filesystemのlist_allowed_directoriesツールの利用を許可しますかというポップアップが表示される。

ツール使用許可ポップアップ

これは画像の注意書きにも書かれている通り、追加したMCP Serverに悪意のあるコードの含まれている場合や乗っ取りが行われていた場合、リスクがあるため毎回許可を求めるつくりになっている。

許可を押すとツールが使用され、デスクトップのファイル情報がAIに渡され回答の続きの生成が行われる。

最終的にはこのような出力になり、AIが与えられたツールを使用してデスクトップのファイル情報を取得できることが確認できた。

ツール使用結果